「※角層まで」という、小さな注釈の話 ── 化粧品広告と、正直に向き合おう!

こんにちは、美容薬剤師の佑(タスク)です。
化粧品のCMやパッケージで、こんな言葉を、よく目にしませんか。
「肌の奥まで、浸透する」
なんだか、効きそうな響きですよね。
でも今日は、美容薬剤師として、この「奥」について、正直にお話ししたいと思います。
その「奥」は、どこまで?
結論から言うと、化粧品の成分が届く「奥」とは、肌の一番表面にある「角層(かくそう)」までです。
広告を、よく見てみてください。
「肌の角層のすみずみまで」「角層深部にまで届く」――そんなふうに、書かれているはずです。
実は、これには理由があります。
化粧品の広告表現は、薬機法という法律で、厳密に決められているんです。
化粧品が「浸透する」と言えるのは、「角層まで」。
それより奥(真皮など)まで届く、と表現することは、法律で認められていません。
それは、医薬品の領域になってしまうからです。
「肌の奥深くへ!」の、小さな注釈
なかには、「肌の奥深くへ!」と、大きく謳っている広告も、見かけるかもしれません。
そんなときは、画面の隅や、ページの下を、よく見てみてください。
きっと、とても小さな文字で、こう書かれているはずです。
「※角層まで」
どんなに魅力的なキャッチコピーで飾られていても、法的に保証されている浸透の範囲は、「角層まで」。
その事実は、変わらないんです。
これは、誰かを責めたい、という話ではありません。
ただ、こういう事実を知っているだけで、広告の見え方が、少し変わると思うんです。
大きな言葉に振り回されず、自分の目で、選べるようになる。
それでも、「角層を整える」ことには、意味がある
ここまで読んで、「じゃあ、今、私が使っている化粧品って、意味がないんじゃないの?」と思った方も、いるかもしれません。
そんなことは、ありません。
そもそも『化粧品』は、法律で「人体への作用が緩やかなもの」と定義されています。
医薬品のように、身体の機能を変えるものではない。
でも、肌の一番外側にある角層は、私たちの肌を、乾燥や外部の刺激から守る、大切なバリアです。
その角層を、すこやかに整えること。
それは、地味だけれど、毎日の肌にとって、とても意味のあることだと、私は思っています。
「奥まで効く」という夢のような言葉ではなく、「角層を丁寧に整える」という、等身大のケア。
私が大切にしたいのは、そちらです。
だから私は、「できること」だけを、正直に並べる
私は、化粧品に、できないことを「できる」とは言いたくありません。
「奥まで浸透して、肌が生まれ変わる」なんて、魔法のような言葉も、使いたくない。
できるのは、角層を、ていねいに整えること。
その事実を、正直にお伝えしたうえで、私は「Dr.PHARMACYシリーズ」を、誠実に並べています。
大げさな言葉で、期待を煽るのではなく。
本当のことを知ったうえで、あなた自身に選んでほしいから。
何を選ぶか、そもそも選ばないか。それは、いつでもあなたご自身が納得して決めていただきたいです。
大きな言葉より、本当のこと、真実を。
その先で、あなたが自分のために選んだものが、一番良いと、私は思っています。
ー 美容薬剤師 佑(タスク)
※この記事は、化粧品の薬機法上の表現区分(角層までの浸透)について、一般的な情報をお伝えするものです。
※化粧品は、お肌に異常が生じた際は、ご使用を中止してください。
