ビタミンCとナイアシンアミド、一緒に使うとどうなる?【美容薬剤師が解説】

「完璧」より、「ちょっとマシ」を。− こんにちは。美容薬剤師 佑(タスク)です。
ナイアシンアミド配合の化粧品、増えましたよね。化粧水にも、美容液にも、クリームにも。 そうなると気になるのが、手持ちの「ビタミンC」との組み合わせです。
調べてみると、「効果を打ち消し合う」「一緒に使うと肌が赤くなる」─ そんな言葉が出てきて、手が止まってしまった方もいるかもしれません。
先に、結論をお伝えします。 一緒に使って大丈夫です。
ただし、「併用NG」と言われるようになったのには、それなりの理由がありました。
半分は本当で、半分は「昔の話」です。 その出どころを知っておくと、何に気をつければいいのかもはっきりと見えてきます。順番にひも解いていきましょう。
「ビタミンCとナイアシンアミドは併用NG」と言われた、2つの理由
1つめの理由は、80年ほど前にさかのぼる古い実験です。
水に溶かしたビタミンC(アスコルビン酸)とナイアシンアミドを混ぜると、液が黄色く変わる ─ この現象は、1940年代から報告されていました【1】。
1960年代には、2つの成分が水の中で1対1の「複合体」をつくることも詳しく調べられています【2】。
「成分同士がくっついてしまうなら、それぞれの働きが弱まるのではないか。」
これが、「打ち消し合う」説の根っこにあります。
2つめの理由は、「ニコチン酸」の存在です。
ナイアシンアミドとよく似た名前ですが、別の物質です。
ニコチン酸には血管を広げる性質があり、医薬品やサプリメントの分野では、一時的なほてりや赤み(フラッシング)を起こすことが知られています。
水溶液を高い温度に置いた条件では、ナイアシンアミドの一部がこの「ニコチン酸」に変わりうるとされてきました。「一緒に使うと肌が赤くなる」という話は、ここから来ています。
つまり、どちらの説もまったくのデタラメではありません。実験室では、たしかに観察された現象なのです。
問題は、「その条件が、毎日のスキンケア環境とはかけ離れていたこと」でした。
いまの化粧品で問題になりにくいのは、なぜ?
理由は、大きく3つあります。
① 複合体は「弱くて、ほどける」
1960年代の研究でわかったのは、複合体ができることだけではありません。この結びつきは、くっついたり離れたりを繰り返す「ゆるやかなもの」だということも示されています【2】。成分が壊れて、消えてしまうわけではないのです。
② 高温・長時間という条件が、そもそも起こらない
ニコチン酸への変化が問題になるのは、水の中で、高い温度に、長く置かれた場合です。常温で保管された化粧品や、肌にのせてから角層へなじむまでのわずかな時間とは、そもそも条件が違います。
③ 「誘導体」という設計がある
いまは、純粋なビタミンCそのものではなく、性質をおだやかにした「ビタミンC誘導体」を使う製品も多くあります。誘導体は強い酸性の環境にこだわらず設計できるものが多く、組み合わせの心配はさらに小さくなります。
(※純粋ビタミンCと誘導体の違いは、純粋ビタミンCとは? でご案内しています。)
そして、なによりの実例があります。
ビタミンCとナイアシンアミドを最初から1本に配合した化粧品が、いまはふつうに店頭に並んでいることです。
組み合わせて安定するかどうかは、設計の段階ですでにクリアされているのです。
それでも気をつけたい、3つのこと
「大丈夫です」で終わらせず、念のため注意点もお伝えしておきます。
① 高濃度どうしを、いきなり重ねない
とくに、純粋ビタミンCの高濃度品と、ナイアシンアミドの高濃度品を同じ日に始めるのはおすすめしません。万が一刺激を感じたとき、どちらが原因か分からなくなるからです。
(※濃度との付き合い方は、ビタミンC美容液の選び方|高濃度ほどいい? でご案内しています。)
② 新しい組み合わせは、片方ずつ試す
いま使っているものにもう片方を足すなら、数日あいだを置いてから。肌の様子を見ながら、ひとつずつ増やしてください。
③ 肌が揺らいでいる日は、無理をしない
乾燥がひどい日や日焼けのあとは、どちらか片方だけに。赤み、はれ、かゆみ、刺激などの異常があらわれたらすぐに使用を中止し、症状が続くようなら皮膚科専門医にご相談ください。
順番や間隔に迷わない、「1本」という設計 ─ Golden C Boost Gel

ここまで読んで、「別々に使うなら、順番は?時間はあけるの?」と思われた方もいるかもしれません。
その迷いごとを、設計の段階で済ませてしまったのが、Dr.PHARMACYのGolden C Boost Gel(ゴールデンシー ブーストゲル)です。
3種のビタミンCとナイアシンアミドを、金、グルタチオンとともに最初から1本のジェルにまとめました。ビタミンA、ビタミンE、3種のセラミドも一緒に入っています。
重ねる順番も、待つ時間も、考えなくて大丈夫。スキンケアのいちばん最後に、これ1本です。
(シリーズ全体の順番は、[Dr.PHARMACYの使う順番ガイド] でご案内しています。)
- Golden C Boost Gel(商品ページ)… 12,100円(税込)/50g
シリーズの中では、いちばん贅沢な1本です。「いちばん、いいものを。」 ─ そう考えるあなたの肌で、その違いを、お確かめください。
「一緒はダメ」の話を見かけたら
スキンケアの世界には、「あれとこれは一緒に使ってはいけない」という話がたくさんあります。 もし見かけたら、少しだけ立ち止まって、「それは、いつの、どんな条件の話だろう」と考えてみてください。半分はほんとうで、半分は昔の話 ─ そういうことが、意外と多いからです。
仕組みがわかれば、避けるものは減って、選べるものが増えます。 今日の1本を、安心して選んでくださいね。
よくある質問|ビタミンCとナイアシンアミドの併用について
Q1. 別々の製品で使う場合、どちらを先につければいいですか?
決まった正解はありませんが、一般には、水のように軽いテクスチャーのものから順につけます。それぞれの製品に使う順番の案内があれば、そちらを優先してください。Dr.PHARMACYシリーズでの順番は、使う順番ガイドでご案内しています。
Q2. 混ぜたら黄色くなりました。使わないほうがいいですか?
ビタミンC(アスコルビン酸)とナイアシンアミドが出会うと、黄色い複合体ができることは、古くから知られています。この結びつきはゆるやかで、くっついたり離れたりする性質のものです。ただし、時間が経ってからの黄ばみや茶色への変色は、ビタミンCの酸化が進んだサインのこともあります。開封から時間が経った製品は、色とにおいを確かめてからお使いください。
Q3. 使っていて、赤みやほてりが出たら?
いったん使用をやめて、肌が落ち着くまで待ってください。再開するときは、どちらか片方から、少量ずつ。赤みやかゆみなどの異常が続く場合は、使用を中止し、皮膚科専門医にご相談ください。
Q4. ニコチン酸とナイアシンアミドは、同じものですか?
別の物質です。どちらもナイアシン(ビタミンB3)の仲間ですが、ニコチン酸には血管を広げて、一時的なほてりを起こす性質があります。化粧品に配合されているのは、その性質がおだやかなナイアシンアミドのほうです。
【出典・参考】
1. A Study of the Binary System Nicotinamide—Ascorbic Acid. Journal of the American Chemical Society, 1945, 67(7), 1184–1186.
2. Guttman, D. E., Brooke, D. Solution Phase Interaction of Nicotinamide with Ascorbic Acid. Journal of Pharmaceutical Sciences, 1963, 52(10), 941–945. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jps.2600521006
※本記事は、化粧品成分に関する一般的な情報であり、特定の効果・効能を保証するものではありません。
※お肌に異常が生じた際は、ご使用を中止し、皮膚科専門医等にご相談ください。
